ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP4】条件別 摩材選びのポイント!

ロータサイズによる摩材の選び方

ビッグロータに適合する摩材
同じ車種でも、純正ロータから、ロータが大径化されたビックロータに交換すると、同じキャリパを使用しても、制動トルク(効き)は大きくなります。

下図のように、テコの原理から、きつく締まったナットを緩めるときに、柄の短いレンチを使って緩めるよりも、柄の長いレンチを使って緩めたほうが楽に緩めることができます。

これと同じ原理で、ロータのサイズが大きくなると、中心から、より外側にキャリパが装着されるようになりますので、中心からパッドまでの距離は長くなります。

このことから、ロータの回転中心から離れた位置にパッドを設置した方が、大きな制動力を発揮させることができ、大径ロータに適合するブレーキパッドの摩材は、ノーマルロータに対して、効きが弱い方向に振れます。

また、ロータが大径化されると、外気と触れる表面積が大きくなり、走行中のロータ温度も下がる方向となります。

このように、使用するロータサイズによって、摩材のチョイスは変わってきますが、「ZONE」では、タイヤ等の条件が同じであれば、1~2ランク摩材の効きを落とす方向となります。
同時にビックキャリパを使用する場合は、サイズにもよりますが、1~4ランク摩材の効きを落とす方向となります。

 

ロータについての注意事項
「ZONE」の開発は、純正ロータを装着してテストを行いましたので、マッチングにつきましても、純正ロータ装着を前提としています。社外品のロータを装着される場合は、サイト内に表記しておりますコメントと相違することがあります。
また、純正ロータ以外をご使用の場合には、以下の点をご確認ください。

 

  1. 寸法精度がきちんと出ていること。

    寸法精度が出ていないロータを使用すると、パッドとロータの接点が安定せず、効きが不安定になってしまい、パッド本来の性能が発揮できません。
    また、偏摩耗や、ジャダ、クラック、ロータ割れの原因となりますので、必ず寸法精度が出ているかを確認ください。

  2. 使用素材が安定していること。

    ロータ製造時の使用素材が安定していないと、品質にバラツキが発生しやすくなり、安定したブレーキ性能を発揮することが出来ません。
    また、偏摩耗やジャダ、熱が入ることによるロータ自体の変形、クラック等の原因となり、ロータが割れてしまうこともあり非常に危険です。

  3. 強度が確保されていること。

    強度が確保されていないロータを使用すると、ブレーキングによって変形し、クラックが入り、ロータが割れてしまうことがありますので非常に危険です。

    また、スリット入りや、穴あきのロータについては、スリットや穴自体が摩材を引っ掻きますので、摩材本来の発生μよりも効きを強く感じたり、ライフが短くなる傾向があります。

    もちろん、純正ロータであっても使用方法や、使用される環境、その他の要因によってトラブルが発生することがありますので、必ず定期的に点検を行って下さい。

 

ロータのメンテナンス
一般的な、ロータの摩耗限度は、

  • フロント  表側/裏側とも、片側でおおよそ1ミリ
  • リア  表側/裏側とも、片側でおおよそ0.5~0.7ミリ

です。日頃から摩耗の状態や、クラックが入っていないか等の確認をしていただき、サーキット走行の前には必ず異常がないか確認をする必要があります。もし、何らかの異常が確認された場合には、絶対にそのままの状態で走行せず、必要に応じて研磨や交換などのメンテナンスを行ってください。

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