レーシングキャリパに適合する摩材
レーシングキャリパを使用すると、ディスクロータが同じサイズでも、純正キャリパと比較して、制動トルク(効き)が大きくなります。
なぜなら、キャリパ内のシリンダ(ピストン)の数が増えたり、面積が大きくなることで、ブレーキパッドにかかる圧力が高くなるからです。
下の図を見てください。
これは、A、Bのシステムに、同じ踏力をかけた場合、キャリパ内のシリンダーサイズの違いにより、パッドにかかる圧力どれぐらい変化するかを表しています。
(マスタシリンダは同サイズ)
10kgでマスタシリンダを押す(踏む)と、マスタシリンダで1kg/cm2の液圧が発生します。
(計算式 10kg ÷ 10cm2 = 1kg/cm2)
ブレーキラインの内部では、1kg/cm2の圧力となり、キャリパにこの圧力が伝わります。
キャリパ内部のピストンの面積は、20cm2となりますので、キャリパ側で20kgの力が出ることになります。
(計算式 1kg/cm2 x 20cm2 = 20kg)
マスタシリンダのサイズは同じですので、A.と同様に、ブレーキラインの内部では、1kg/cm2の圧力となります。
キャリパ内部のピストンの面積は、40cm2となりますので、キャリパ側で40kgの力が出ることになります。
(計算式 1kg/cm2 x 40cm2 = 40kg)
結果、同じ踏力でブレーキを踏んでも、キャリパ側での力が大きくなる、ビッグキャリパBでは、制動トルク(効き)が大きくなり、適合するブレーキパッドの摩材は、ノーマルキャリパに対して、効きが弱い方向に振れます。