曲がるブレーキング
ラップタイムの短縮を目指し、いつもより、少し奥までブレーキングの開始位置を遅らせた場合、注意しなければならないことがあります。それは、すべての動作をいつもよりワンテンポ早く開始する必要があるということです。
たとえば、バッティングセンターでボールを打つ場合、80km/hのボールを打つのと、120km/hのボールを打つ場合では、スイングを開始するタイミングが違ってきますよね?
80km/hでは、マシーンがボールを投げるのを確認してからスイングを開始しても、タイミングは合いますが、120km/hでは、マシーンがボールを投げるか投げないかで、スイングを開始しないと、振り遅れてしまいます。
これは、サーキットでも同じで、通常より奥までブレーキで飛び込むと、減速中の同じ位置でもスピードは高くなっていますので、すべての操作は早めに開始しなくては、コーナーに対してすべてが間に合いません。
当然、ブレーキのリリースポイントも、ステアリングを切り始めるタイミングもです。
上記のように、物理的に考えれば、どういった行動をとれば良いかは理解できますが、奥までブレーキを飛び込んだとき、ドライバーの精神状態はどうでしょう。
まず、いつもより飛び込んでいるのですから、早く減速したい心境が働きます。しかし、タイヤにはグリップの限界がありますので、いつも以上に強くブレーキを踏むわけにはいきません。
サーキットビギナーが犯すパターンとして、
レイトブレーキ → いつもより強いブレーキ → ブレーキロック → コースアウト
があげられます。
うまく、この状況が避けられたとしても、コーナーはどんどん近づいてくるけど、スピードは思うように落ちない状況となります。
そして、本来ならブレーキのリリースも早めに行わなければならないのに、体感スピードから、ブレーキが緩まず、その状況でステアリングを切るのでアンダーステアとなってしまいます。
このように、コーナーへ飛び込んだときは、心の中で、
減速したい気持ち VS 曲がることへの準備
が、戦うことになります。
そして、曲がることへの準備が優先できたときに、ラップタイムは短縮されます。
飛び込んだときこそ、ブレーキのリリースも、ステアリングを切り始めるタイミングも早くするが鉄則です。
そう、巧いドライバーほど、ステアリングを切り始めるタイミングは早く、ステアリンを切るスピードはゆっくりとなります。当然、ステアリングを切るタイミングが早いということは、ブレーキのリリースのタイミングも早くなくてはなりません。