ブレーキングドラテク最大の特効薬は、時間軸を意識するとだと私は思います。
たとえば、どれぐらい強くブレーキを踏んだかは、覚えていても、どのように最大の踏力に立ち上げたかとか、その後どのようにブレーキを抜いたかとかは、あまり重要視されていないように思います。
人間の記憶は、最大値は結構覚えているものですが、時間軸により、それがどのように変化したというのは、なかなか記憶することが難しいようです。
そこで、効率的なブレーキにするためにも、データロガーのグラフをイメージして、走ることが、どんな練習方法より有効だと田中は思いますので、みなさんにもお勧めしたいと思います。
下のグラフを見てください。
これは、冨士スピードウェイの1コーナーでの、ブレーキングロガーです。
ブレーキを踏み始めて、最大踏力になり、その後少しずつ踏力が緩んでいくのがわかると思います。
もちろんはじめから、このロガーのように鮮明に想像することは、なかなか難しいので、
以上、4点が「なんとな~く」わかってくるだけで、ブレーキングは飛躍的に上達します。
要するに、前のLapまでの、上記4点を「なんとな~く」覚えておけば、今のLapが、うまくいったとか、失敗したといったことから、どのようにブレーキを踏むと速くなるかがわかってきます。
ブレーキングは、断片的な強さやタイミングだけを考えているのではなく、時間軸で理解しおけば、再現性も高く、上達も早いと思います。
なんといっても、加速よりかなり短い時間しかなく、リスクもあり、やり直しが効かないのが、ブレーキングですからね。
ブレーキングは、時間軸を意識することがとても重要といいましたが、これはドラテクだけに限ったことではありません。
ドラテクに密接に関係してくる、ブレーキパッドの摩材をチョイスする場合も同様です。
たとえば、ロータ温度も、ロータとパッド間に発生するミューも、ブレーキング中に変化します。そのフィーリングを言語にするならば、「初期が強い」とか、「奥で滑り感が出る」とか、「スイッチのように瞬間的に効く」などなど。
これら、のフィーリングは、最大踏力での効き具合以上に重要です。
このパッドは、“どう止まるか”ではなく、“どう止めたいのか”を考える時に、時間軸を加えたフィーリングは、とても重要な要素となります。