ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP1】『ブレーキを科学する』

フロントのブレーキは、なぜ大きい?

どんな駆動方式のクルマでも、バイクでも、なぜ、フロントブレーキは、リアのブレーキより大きいのでしょうか?

それは、ブレーキング中に荷重移動が起こり、フロントタイヤはより地面に押し付けられ、グリップが増大するからです。反対にリアタイヤは、ブレーキングにより、浮き上がろうとする方向となります。

この荷重移動が行われた状態で、フロント / リアのブレーキがバランスするように、ブレーキの大きさ(容量)が決められているのです。

ということは、荷重移動が完了した状態では、バランスしますが、荷重移動の途中であれば、バランス的にフロントの方が、ブレーキが強く、ロックしやすくなります。
特に、ブレーキ開始直後は、まだ、フロントもリアも均等に荷重がかかっていますので、ブレーキ容量の大きなフロントはロックしやすくなります。

もちろん、この状態でのリアは、十分に荷重があり、タイヤもグリップする状態ですが、ブレーキ容量差により、グリップ力に対して、かなり弱いブレーキしか効かせることしかできません。

また、このフロント / リアにおけるブレーキの容量差は、コーナーウエイトによっても、異なってきます。
リアヘビーのRRや、ミッドシップ、前後のウエイトバランスの良いFRでは、フロントが大きなことに変わりはありませんが、容量差はさほど大きくありません。しかし、フロントヘビーのFFなどは、かなり大きな容量差となります。

以上のことを踏まえて、ドラテク的にブレーキングを考えると、まず、ブレーキの踏み始めから、荷重移動が完全に完了するまでは、フロントタイヤのロックし集中して、ブレーキ踏力を調整することが重要です。ここでの、ロック・リリースのコントロールは、フロントタイヤからのインフォメーションがすべてです。

そして、完全に荷重移動が完了してからは、フロント / リアともに、ロック・リリースのコントロールが必要となります。

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