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ブレーキパッドのウンチク

ロータ皮膜について

カーボンを中心とした、パッド摩材の成分が、ロータに付着し形成される被膜を「トランスファーフィルム」と呼びます。この被膜が形成されると、高温での効きの安定、パッド/ロータの摩耗抑制といった働きがあります。

被膜の厚さや成分は、温度域や、ロータにかかる圧力(踏力)、速度域などの条件によって変わります。一般的な傾向として、温度、圧力、速度が高くなるほど被膜は厚くなり、低くなるほど薄くなります。

また、ロータ温度が200℃を下回る街乗りでは被膜は形成されず、逆に皮膜は削られてしまします。被膜が無い状態では、パッドの摩耗を抑制したり、ロータを保護する機能が低下します。
逆に、この被膜が厚く形成されると、皮膜ではなく付着となり、極端に厚い付着は、ブレーキフィーリングの低下やジャダの原因となることがあります。

ブレーキパッドを交換した直後は、交換前のパッド摩材の皮膜がロータに残っています。
この場合、交換前の皮膜が、交換後のパッド摩材の皮膜になるまでは、交換したパッド本来の性能が発揮されないことがあります。しかし、皮膜は、通常のサーキット走行を行なっていれば自然と形成されるものであり、あまり神経質になる必要はありません。
付着についても、ロータ温度が上がるサーキット走行ではごく自然に見られる現象ですので、ブレーキフィーリングの低下などが無ければ、まったく問題ありません。

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