ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP2】「止まるブレーキ」&「曲がるブレーキ」

 曲がるブレーキング

曲がるためのブレーキングとは!?

最大踏力を使って「短い区間で減速する」ことを目的とした止まるブレーキが終わると、コーナーを曲がるためにハンドルを切りはじめますが、その少し手前の、ブレーキをリリースする部分からが「曲がるためのブレーキング」となります。

「曲がるためのブレーキング」最大のポイントは、今までタテ方向(ブレーキング)に使用していたタイヤのグリップを、いかにスムーズにヨコ方向(コーナリング)のグリップに移行して、アンダーステアを出さずに曲がること(曲げること)です。いわゆる、タイヤのタテとヨコのグリップをオーバーラップさせるテクニックです。

では、まずイメージをつかんでもらうために、下記グラフを見てください。
曲がるブレーキングは、止まるブレーキングを説明する際に使用した踏力グラフの後半部分になります。

踏力グラフ

①の部分では、ロータとパッドの温度が上昇し、摩擦μが高くなったことに合わせるため、少しブレーキの踏力が緩んでいます。しかし、ブレーキの効きとしては、ロック寸前の状態を維持しています。

その後、②の部分で、ブレーキの本格的なリリースが始まります。このリリースにより、ステアリングを切り始めるために必要な、タイヤのヨコ方向のグリップを確保するための準備を開始するのです。

このときの失敗例としては、ブレーキのリリースと同時にステアリングを切り始めてしまうことです。なぜなら、ブレーキを緩めて、タテグリップの使用量を減らしたと同時に、ヨコのグリップは、すぐに立ち上がるのではなく、そこには「ラグ」が発生するからです。この「ラグ」を計算に入れないと、かんたんにアンダーステアとなってしまいますので、リリースからワンテンポおいて、ステアリングを切りはじめます。

③の部分では、ブレーキのリリース量にあわせて、ステリングを切り込んでいきます。そして、クリッピングポイントでブレーキは完全にリリースされ、ステアリング舵角は最大となります。ここまでが、曲がるためのブレーキの正しい方法です。

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