ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP2】「止まるブレーキ」&「曲がるブレーキ」

 止まるブレーキング

初期踏力のポイント

フロントのブレーキは、なぜ大きい?で説明しましたように、ブレーキの容量は、荷重移動をあらかじめ想定して、設定されています。ということは、初期のブレーキで大切なことは、いかに速くブレーキの配分が適正化する前荷重の状態を作れるかどうかということになります。

では、上手に止める(減速する)フルブレーキの踏み方について説明しましょう。 

上手なフルブレーキの踏み方は、基本的に踏み始めで「素早く・強く」踏むのですが、スイッチのように“ガツン”と踏むのではなく、ある程度“ギュッ”と踏んでから踏力を合わせて行くのが正しい踏み方です。
イメージとしては、荷重移動後の最大踏力を10と仮定した場合、8ぐらいまでイッキに踏んで、ロック寸前の9.99まで“スゥーッ”と踏力を上げていく感じです。
つまり、冒頭でも言ったように、これは荷重との密接な関連があり、“ギュッ”と踏むことで素早く前傾姿勢にして前荷重状態をつくり、その姿勢変化の度合いが増えるに従って、踏力を上げていくわけです。
この踏み方が、早くブレーキの配分が適正化する前荷重の状態の作り方です。
もし、このように前荷重状態になるにつれて踏力を強めていった結果、荷重移動終了後にタイヤがロックするような場合は、タイヤの限界をブレーキ踏力が超えてしまった証拠です。

また、フルブレーキがうまく踏めない人は、荷重移動をする前に、「ガツン」とブレーキを踏んでタイヤをロックさせてしまう(フロントタイヤに荷重が乗り切っていない状態で100%のブレーキを行ってしまっているから)か、もしくは、最初からジワっと、徐々にしかブレーキが踏めない人のどちらかです。決して、上手いブレーキングとは、踏み込んだ奥での踏力コントロールが絶妙かどうかではなく、いかに速く、ロックさせずに、フロントに荷重を移すことができるかで決まります。

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