「コントロール」と言う名のパッド
株式会社 D-DREAM ドライバー 渡辺 大祐
http://www.ddream-ms.com/
平成16年式 ロードスター NB8 RS
各部改造箇所あり 公認改造車 | |
ブレーキ | キャリパ/ロータ ノーマル(RS) ステンメッシュホース フロント 80Ф ブレーキダクト |
足回り | ザックスレースエンジニアリング 別タンク式 2way |
ブッシュ | マツダスピード 強化ブッシュ |
タイヤ | Sタイヤ |
【選択摩材 その1】 フロント:53C リア:53C
富士スピードウェイ 本コース
気温16度, 路面温度29度, コース ドライ
今まで使用していたパッドとの比較になるが、制動力は変わりなかった。
まず、1コーナーでは強い踏力に対して、制動ミューがリニアに立ち上がり、車速を下げた後のペダルリリース+ターンインのリリースコントロール性が抜群に使いやすい。
良く効くパッドでは、制動力はあるがリリース時に車速をコントロールしにくく、ブレーキペダルから足を離す感覚と、リンクしないパッドが目立つ。
が、このZONEは踏力に対して、リニアに制動力が変化する。
フロントの荷重を制動力から、コーナリングに切り替える時、コーナリングフォース増大に対して、制動力を減少させタイヤに掛かる荷重を,常に一定に保ちやすい。
これは、1コーナーよりコカコーラカーブの方がより顕著に出る。
ロードスターでブレーキを使ってコーナリングするコーナーの中で、かなりのハイスピードコーナーである。データロガーで検証すると、170km/hからのコーナリングで、しかも1コーナーほど車速を落とさない、難しいコーナーでもある。
初期の踏み込みは、そこそこ強いがその後クリッピングまで、かすかにブレーキを残しながらコーナリングする。
ここに、強みがある。初期の制動力は若干低いのだが、そこがコントロールしやすくさせるポイントであると感じた。
コーナリング中のボトムスピードは、130km/h近辺、横Gは1.3近辺。
この領域で、ハードブレーキングすれば間違いなく車はコース上から姿を消しているでしょう。
薄い踏力でほんの少しブレーキを残しながらステアリングを切り込みクリッピングポイントに車を寄せる。まさに、「コントロール」と言う名のパッドである。
今までは、この部分がコントロールしにくく、思った以上にブレーキが残ってしまったり、逆にリリースしすぎたりと言う具合だった。
その後のコーナーでも、コントロール性能は抜群であった。
【選択摩材 その2】 フロント:変更なし(53C) リア:55A
11LAPを終え、リヤの制動力に少し不満を覚え、リヤパッドを55Aに交換。
3週ほどのラッピングを終え、連続周回に入る。これが、バッチリはまる。1コーナーの制動距離が20~30m短縮する。
また、フロントに掛かりすぎていた荷重が、リヤに分配され更にターンインスピードが速くなった。
パッドを変更しても、コントロール性は変わらず実に使いやすい。その後、13LAP連続走行するが、ペダルタッチ、ストロークとも変化無く、実に良く出来たパッドであった。
この車両は、自走でSHOPまで戻るのだが、ブレーキ鳴きは無かった。今後も使用を続け、磨耗してきた時の変化や、ロータの攻撃性などもレポートしたい。
ちなみに今回のブレーキロータ温度は
摩材 | 左 | 右 | |
フロント | 53C | 365 | 370 |
リア | 55A | 414 | 393 |
であった。