ポリシー・「ZONE」開発秘話

「ZONE」ネーミングの由来

「ZONE」を辞書で調べると、一般的には、地帯{ちたい}、区域{くいき}、地域{ちいき}といった「場所」を指しますが、私たちにとっての「ZONE」とは、究極の集中状態のその先にある、“特別な空間”を指します。

プロスポーツ選手やTOPアスリートなどのコメントで、ときより耳にする「ZONE」体験。
とあるサッカー選手は、「ZONE」に入った時のことをこう話しています。
「全ての選手の動きが見え、次の動きもわかる。まるで上からフィールドを見ているように感じた」「観客の声が消え、目に映るもの全てがゆっくりと動いた・・・」
究極の精神状態が生み出す、経験した者にしか知りえない領域がそこにはあるのです。

人により、「ZONE」への入り方は、まちまちのようですが、共通していることは、「ZONE」に入ると、身体はリラックスしているのに感覚は研ぎ澄まされ、一切の不安や恐怖、邪念がない、究極の精神状態であることです。そして、必ず素晴らしい結果や、記録が生まれます。

私も、現役時代にサーキットで何度か、「ZONE」体験をしたことがあります。
「ZONE」に入ると、まず、すべてがゆっくりと見え、スピードが遅く感じます。タイヤからのインフォメーションも手に取るように理解でき、たとえ限界ギリギリで走っていても、身体に力が入ることなく、すべての操作が、無駄なく的確に行えるようになります。また、もっと深く「ZONE」に入ると、自分でステアリングを切っている感覚がないのに、勝手に手が動くような、不思議な空間がそこには存在します。

現役を引退した今、もう「ZONE」に入ることはないと考えていましたが、先日、ブレーキパッドの開発を行っていると、制動力とリリースコントロール性が完璧にバランスしていて、どうしても一発のラップタイムを出したくなる状況となりました。
そして、全開で走ること約10LAP。気が付けばいつのまにか「ZONE」に入っていたのです。

クルマを降りた後のなんとも言えない爽快感。確実に結果として表れる圧倒的に速いラップタイム。ブレーキパッドの性能によって、多くのサーキットドライバーがすんなりと「ZONE」に入れるキッカケになったら・・・。そんな思いで「ZONE」というネーミングにしたのです。

ミノルインターナショナル代表取締役
元レーシングドライバー  田中ミノル

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