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【STEP4】条件別 摩材選びのポイント!

キャリパサイズによる摩材の選び方

レーシングキャリパに適合する摩材

レーシングキャリパを使用すると、ディスクロータが同じサイズでも、純正キャリパと比較して、制動トルク(効き)が大きくなります。
なぜなら、キャリパ内のシリンダ(ピストン)の数が増えたり、面積が大きくなることで、ブレーキパッドにかかる圧力が高くなるからです。

下の図を見てください。
これは、A、Bのシステムに、同じ踏力をかけた場合、キャリパ内のシリンダーサイズの違いにより、パッドにかかる圧力どれぐらい変化するかを表しています。
(マスタシリンダは同サイズ)

 

  1. 10kgでマスタシリンダを押す(踏む)と、マスタシリンダで1kg/cm2の液圧が発生します。

    (計算式  10kg ÷ 10cm2 = 1kg/cm2

    ブレーキラインの内部では、1kg/cm2の圧力となり、キャリパにこの圧力が伝わります。
    キャリパ内部のピストンの面積は、20cm2となりますので、キャリパ側で20kgの力が出ることになります。

    (計算式  1kg/cm2 x 20cm2 = 20kg)

  2. マスタシリンダのサイズは同じですので、A.と同様に、ブレーキラインの内部では、1kg/cm2の圧力となります。
    キャリパ内部のピストンの面積は、40cm2となりますので、キャリパ側で40kgの力が出ることになります。

    (計算式  1kg/cm2 x 40cm2 = 40kg)

 

結果、同じ踏力でブレーキを踏んでも、キャリパ側での力が大きくなる、ビッグキャリパBでは、制動トルク(効き)が大きくなり、適合するブレーキパッドの摩材は、ノーマルキャリパに対して、効きが弱い方向に振れます。

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