ウンチク① ストリートパッドを サーキットで使用した場合

表面が白くなっています。
コレは、炭化といって、ブレーキパッドの中に含まれる一部の成分が、
熱により固まってしまった状態です。

使用したローター温度が高過ぎる場合、このような症状になります。
適正ローター温度が低い、ストリートパッドをサーキットで使用した場合、
間違いなくなってしまう典型的な例です。

ブレーキパッドが、炭化すると、
ストリート走行でも、ブレーキが本来の効きを発揮できないばかりか、
ガリガリと音がしたり、ローターを傷つけたり、磨耗させる原因となってしまいます。

●マメ知識
ブレーキパッドの写真左側が、白いのは、ローターが左側から介入するからで、 介出側は、介入側で削れた 摩材が張り付くことから、あまり白く見えません。

また、適正ローター温度域以上の温度で使用すると、同様の症状が発生します。

ウンチク② ブレーキパッドがオーバーヒートした場合

ブレーキパッドの表面がガタガタになっています。

微妙に、ブレーキパッドのまわりが、白くなっていることから、使用した環境において、制動力が足りないことから発生する、ブレーキパッドのオーバーヒートが原因です。

ローターがレコード盤のようになっている場合も、同じ症状となります。

このブレーキパッドを使用されたドライバーのフィーリングは、 周回を重ねることで、どんどんブレーキの効きが甘くなり、反比例するかのように、踏力は上がっていき、最後には、「まったく止まらくなった」 ハズです。

ウンチク③ オーバースペックのブレーキパッドを装着した場合
ブレーキがしっかり踏めていない場合

ブレーキパッドの表面が、ガサガサ です。

表面がこのようになってしまう症状の理由はふたつです。

ひとつ目は、求められる制動力に対して、ブレーキパッドが効き過ぎています。

本来は、そんなに、強い制動力が必要ないのに、やたら、オーバースペックのブレーキパッドを装着したことが原因です。

フィーリングは、まさに「カックンブレーキで、止まり過ぎ」 となります。 少しでも、強く踏むと、とんでもない制動力となりますので、ブレーキングが、とてもシビアで、ヒール&トウもかなり難しくなってしまいます。

もうひとつ理由は、ブレーキがシッカリ踏めていないことです。

これは、「卵が先か、鶏がさきか・・・・」 的な部分もありますが、
カックンで踏めないからか、それとも、強い踏力のブレーキングが出来ないのか・・・ 。
どちらかが原因となります。


強く踏んで、効きが強すぎると感じるようであれば、
それをコントロールするより、適正な制動力のブレーキパッドに交換した方が、
圧倒的に、ブレーキングへのストレスはなくなりますし、タイムも速くなります。

●マメ知識
ブレーキパッドにおいて、「大は小を兼ねる」「オーバースペックの方が良い」 という考えは、まったく成立しません。

ウンチク④ ローターとのあたりが悪い ブレーキパッドの場合

一部の摩材は、溶けて流れていますが、まったく溶けていない部分があります。 これは、ローターとのあたりが悪い ブレーキパッドです。

原因はいくつか考えられますが、 強い踏力で踏めていないということは、間違いありません。 効きが強すぎて、踏み切れないのか、それとも単純に踏む力が弱いのかは不明ですが、まったく持って、ブレーキパッドを使い切れていない状態です。

また、この摩材が溶けている部分が、ブレーキパッドの上部に集中しているため、キャリパーが開いている可能性もあります。

ウンチク⑤ 理想的なブレーキパッドの使い方をしている場合

表面がきれいに溶けて、摩材が流れています。
この状態が、効きも、リリースコントロール性能も、◎ となります。

おそらくこのブレーキパッドを使用しているドライバーは、

「踏んだら、踏んだぶん 効く」
「ブレーキのリリースがとってもカンタンで、入口のアンダーステアが減少した」

といった満足なフィーリングを感じられていると思います。

ブレーキパッドは、使用するサーキットによって、適正なチョイスが必要です。

●マメ知識
写真で、一部クラックが見えますが、縦方向の小さなクラックは、問題ありません。
ブレーキパッドを横から見て、バックプレートと摩材の間に、深いクラックがある場合は、摩材が剥がれる危険性がありますが、表面の縦のクラックは、その摩材が対応できるローターの上限温度付近ではありますが、性能には、問題ありません。

ちなみに、この縦のクラックを抑制するために、ブレーキパッドの中央には、スリットが入っています。


■写真鑑定のお問い合わせ

もし、ブレーキパッドのチョイスに迷っているなら、現在使用しているZONEブレーキパッドの表面の写真を ZONEのお問い合わせメール に、送って下さい。

メールに以下の項目を記載の上、送付をお願いいたします。

現在使用している

  • ・アイテム名
  • ・車種(わかれば車重)
  • ・使用タイヤ
  • ・使用環境(○○サーキット)
  • ・効きの感じ
  • ・今後どのようにしたいか

鑑定士の田中が、バッチリ と、ZONE の摩材チョイス いたします。(もちろん、無料です!)